INFORMATIONDec. 25, 2025DecorbonTokyo2025 サイドイベント

開催概要
2025年12月2日(水)、日本郵船本店にて DeCarbonTokyo 2025 のサイドイベントを開催した。本イベントは、本協議会が DeCarbonTokyo 2025 においてサポーティングパートナーを務めることを踏まえ、来場者が CDR に関する理解を一層深めた状態で同イベントに参加できるよう、その基盤的知見の提供を目的として開催したものである。
当日は約75名の来場者を迎え、CDR サプライヤーおよびレジストリー企業との交流会も実施し、盛況のうちに終了した。
本イベントは二部構成で実施し、第一部では、技術系 CDR 各手法の概要と国内外の最新動向について解説を行った。
第1部 技術系CDR各手法の概要
第一部では、冒頭に日本郵船の小泉執行役員より開会の挨拶が行われ、その後、exroad の 木村圭佑氏 が主要な技術系 CDR(Carbon Dioxide Removal)手法の全体像を紹介した。木村氏は、現在議論が進む各技術の位置付けや、導入に際しての課題や期待を整理し、参加者に全体像を示した。
続いて、CDR の各技術領域から 5 社の登壇者が、自社の取り組みや最新動向を共有した。
まず、DAC(Direct Air Capture)分野からは Planet Savers の 池上京氏 が登壇し、DAC の高い削減ポテンシャルと永続性、そして将来的に新しいエネルギー基盤としての役割を果たし得る点を解説した。併せて、同社が開発を進めるゼオライトを用いた DAC 技術について、現在の実証状況とともに紹介した。
BECCS(Bioenergy with Carbon Capture and Storage)分野では、三菱重工業の 稲員大吾氏 が、BECCSの仕組みならびにその長所や社会実装拡大に向けた課題などについて解説した。併せて、BECCSに関して同社が提供できるバイオマス発電プラントおよびCO₂回収設備について紹介した。
続く Marine CDR(海洋由来の CO₂ 除去)分野では、日立製作所の 高江瑞一氏 が、海洋アルカリニティ強化など複数の技術領域を含む Marine CDR の特性を踏まえ、日本が海洋国として果たし得るリードの可能性について考察を示した。
ERW(Enhanced Rock Weathering)分野では、South Pole Japan の 水澤一郎氏 が、岩石の風化反応を促進して CO₂ を除去する ERW の仕組みを紹介し、コベネフィット(削減効果に加えて農作物の収量向上などの副次的効果)が期待される点を説明した。 最後に、Biochar(バイオチャー)分野として TOWING の 今井駿輔氏 が登壇し、未利用バイオマスを活用した吸着型バイオチャー技術や、その社会実装可能性について紹介した。特に、J-クレジット制度への活用に向けた取り組みについて具体的に説明があった。
第一部全体を通じて、各社が取り組む CDR 技術の多様性と最新動向が共有され、技術系 CDR が日本においてどのような形で社会実装され得るのか、幅広い視点から理解を深める機会となった。

(登壇者一同の集合写真)
第2部 ネットワーキング
第二部では、海外サプライヤーおよびレジストリー企業と参加者との交流会を実施した。本交流会には、翌日から開催される DeCarbonTokyo 2025 に参加するため来日した企業も多数参加し、技術分野ごとに設けたブースで活発な意見交換が行われた。
本イベントを通じ、技術系 CDR の国内外の最新状況と多様なアプローチに関する理解が一層深まり、今後の事業・政策展開に向けた新たな知見が共有された。以上をもって本サイドイベントは盛会裏に終了した。

(会場でのネットワーキングの様子)





