株式会社三菱総合研究所

August 02, 2023第5回プラチナキャリア・アワード 記念シンポジウム(基調講演)

基調講演:日本をプラチナ社会に -カギは経験そして人財-

審査委員長 三菱総合研究所 理事長 小宮山 宏

今、目指すべきビジョンは「プラチナ社会」
今、われわれがキャリアについて議論しなければならない理由は、現代が「人類史の転換期」であるため。かつて、地球は無限という考えが主流だったが、現在は人類の活動に対して地球は有限で小さいと捉えられるようになった。人類は長寿化し、知識は膨大なものとなり、何事も全体像が見えにくくなっている。そのような状況下で、目指すべきビジョンが「プラチナ社会」。地球が持続し、豊かで、すべての人の自己実現を可能にする社会である。

審査委員長 株式会社三菱総合研究所 理事長
小宮山 宏

個々の取り組みの良い芽を連携
現在の日本の問題点は、プラチナ社会実現に向けた各企業の施策、様々な団体の活動など良い取り組みは非常に多いのだが、実行スピードが遅くスケールも小さいこと。良い取り組みを連携させる例として「プラチナ森林産業イニシアティブ」の活動が参考になるのではないか。日本が豊富に有する森林資源に着目し、森林文化と新林業による地方創生などを目指す「プラチナ森林産業イニシアティブ」では、個々の企業・団体の良い取り組みを連携して活動している。このような連携によって、スピードとスケールアップを目指していく必要がある。

活動を担う人財の育成、新たな経験の機会提供による「教育」
こうした活動を担っていく人財の育成が最重要であり、育成対象として学生に期待している。例えば高専などで最新技術を学ぶ学生は、社会課題解決の戦力になり得る。プラチナスピリットを持ち、社会課題の解決や起業意欲のある人財育成を目指す教育産業も必要である。また、就業者の「自律的に学ぶ意欲の低さ」「仕事をする目的の不明確さ」(いずれも20~60代の就業者を対象としたMRI生活者市場予測システム (mif)2022年度アンケート結果)などに対しては、会社内での座学だけではなく、地方自治体で短期間働いてみるなど、いつもと違う経験を通した新たな気づきの機会を提供することも「教育」として重要だ。
今後、教育分野は最大の産業になるであろう。“Mutual Growth by Lifelong Active Learning”(生まれてから死ぬまで、アクティブラーニングによる相互成長)、継続的で相互的な学びを実践してこそプラチナキャリア形成につながる。皆様にはこれを実践していただき、さらに魅力あるプラチナキャリア・アワードができたらよいと思う。

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