株式会社三菱総合研究所

Monthly NewsAugust 21, 2023Monthly NEWS 2023年8月号

活動報告

第3回社会課題ディスカッション

ICF会員の皆さまに社会課題研究の進捗を報告するとともに、社会課題について議論する会「社会課題ディスカッション」(全3回)を開催しました。第1回は「ウェルネス」「水食料」をテーマに5月31日に、第2回は「エネルギー環境」「モビリティ」をテーマに6月14日に開催しました。
第3回は「教育人材育成」「防災インフラ」をテーマに7月25日に開催し、オンラインと会場合わせて約30名のICF会員にご参加いただきました。前半は「教育人材育成」についてICF事務局より社会課題の概要や解決状況のご紹介を行いました。さらにワークシフト研究所の森家明味様にご登壇いただき、リカレント教育に関する話題提供をいただいたのち、グループに分かれてのディスカッションを行いました。参加者自身の学びなおしに関する課題意識も含め、活発に意見交換が行われました。後半は「防災インフラ」についてICF事務局からの社会課題解説ののち、三菱総合研究所の吉元怜毅主任研究員から防災DXに関する話題提供を行いました。その後グループディスカッションを行い、災害時の心のケアの必要性や、地域の公共施設を災害時の拠点としてリノベーションする取り組みなどの話題があがりました。
全3回の社会課題ディスカッションの議論をふまえ、ICF事務局では社会課題リストのアップデートを進めております。9月末をめどにICF会員の皆さまに公開し、10月以降、アップデートのポイントに関する解説セミナーも開催する予定です。どうぞご期待ください。

BAP2023 “スタートアップ向け”応募者募集中(〆8/22)
“大企業・自治体向け” スタートアップ協業ニーズヒアリング実施中(〆8/25)

現在、9回目の開催となるBAP「ICF Business Acceleration Program 2023」の募集中です(〆8/22(火))。
社会課題解決ビジネスをお持ちのスタートアップの皆様 は、ぜひご応募をご検討ください。本年も昨年以上に、多くの共創がうまれるように準備しておりますので、ご期待ください!
MRIでのスタートアップ共創の詳細は、インタビュー記事「社会実装案件の創出を徹底的に追求!9回目を迎える三菱総研のアクセラが始動」にて、ICF事務局メンバーが語っておりますので、是非ご覧ください。
また、スタートアップとの共創に関心の高い大企業・自治体の皆様とは、BAPを通じた共創活動も検討しております。現在、『スタートアップ協業に関するニーズヒアリング (office.com)』も実施しておりますので、ご関心のある方は、ぜひご回答ください(〆8/25(金))。

BAP2023HPはこちら↑
インタビュー記事はこちら↑

インパクト起業家ストーリー#35公開

社会課題にビジネスで立ち向かうには、起業家の人間力や組織としての力が求められます。起業家たちは何を想い、目指す世界をどのように実現しようとしているのか。社会課題解決に向けて奮闘する「ひと」に光を当てて、直面している課題の理解や認知向上、ひいては社会としてのブレークスルーを加速することを狙いとして取材記事をお届けしています。 ⇒記事一覧(35社公開中)はこちら
新たに、メタバースのVRアプリのmirrorX株式会社、個人認証システムの株式会社Qwi、医療用エコーの開発に取り組む株式会社サーモンテックの記事を公開しました。ぜひご覧ください。

今後の予定(8月~9月)

共創サロン ※こちらは共創会員限定のイベントなります。

「共創会員サロン」(第2回)を下記のとおり開催いたします。
<プログラム>
(1)開催日:2023年9月7日(木) 15:30-17:00 ※終了後、懇親会を予定
(2)テーマ:「データで読み解く、ほんとうの高齢者の姿とは」
(概要)
人生100年時代が現実になってきました。寿命は延びるものの、健康面(2人に1人はがんになる、認知症リスク)、経済面(年金だけでは足りず、2,000万円の貯蓄が必要)、生活面(高齢者運転手の事故、孤独死)などの暗い断片的情報があふれ、シニア世代も含めて将来不安をあおっている側面があります。三菱総研では限られた情報に基づくイメージではなく、統計や実測データに基づいた還暦後の『ほんとう』を描き出した書籍『還暦後の40年』を出版しました。https://www.mri.co.jp/knowledge/books/20230210.html
今回は、本書の執筆者である長澤光太郎(当社常勤顧問)より、ほんとうの高齢者の姿について解説、話題提供をおこないます。
(3)参加申込: https://mri.smartseminar.jp/public/seminar/view/5888 

行政&地域デジタル化推進に向けた地域共創DX研究会 第2回

人口減少・高齢化、地域の多様かつ複雑な社会課題への対応が求められる中、地域社会では公助から共助・自助へのシフトが課題となっています。この潮流をデジタル活用で加速させるため、「地域共創DX研究会」を立ち上げました。第2回研究会を下記日程にて開催予定です。
(1)地域福祉 8/30(水)13:30-15:00 【オンライン開催】
(2)ヘルスケア 8/31(木)15:00-16:30 【オンライン開催】
(3)住民コミュニケーション 8/30(水)16:00-17:30 【オンライン開催】
<申込フォーム> https://forms.office.com/r/zjmAbsYjh8 

会員ニュース

一般会員(ベンチャー企業)の7月のプレスリリースをとりまとめました。以下URLからご覧ください。
https://icf.mri.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/icf_mn_202307.pdf

社会実装に関わる取り組みを中心に、ICF事務局で特に注目した記事は以下の通りです。
エイシング、核融合科学研究所との共同研究を開始|株式会社エイシングのプレスリリース (prtimes.jp)
トークンエクスプレス、世田谷区の地域経済の持続可能な発展にかかるソーシャルインパクト指標策定を支援|トークンエクスプレス株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
東大発AIスタートアップLightblue、国内公開モデル最大規模の日本語LLMを一般公開|株式会社Lightblue Technologyのプレスリリース (prtimes.jp)
防災備蓄食を定期配送・ローリングストックの実践と自走を促す新サービス『あんしんストック Rolling』新築分譲マンション「クレヴィア中野新橋」に初導入|Laspyのプレスリリース (prtimes.jp)
レスキューナウ、オールインワン危機管理サービス「imatome(イマトメ)」を正式リリース|株式会社レスキューナウのプレスリリース (prtimes.jp)

TOPICS

インタビュー記事の掲載

MRI/ICFでは、スタートアップとの共創活動に取り組んでいます。この度、実際に共創活動を担うMRI社員のインタビュー記事が当社のHPに掲載されました。
3月に開催されたDEMODAYの振り返りやICFのBAP参加者との共創活動事例、シンクタンクの強みを活かしたした共創活動など、各担当者が今後の抱負も含め熱く語っていますので、ぜひご覧ください。
今後も社会課題解決に向けて、多様なスタートアップの方々と共創活動に取り組んでいく予定です。

今月の本:SFマガジン2023年8月号(2023年8月1日発行、発行元:早川書房)

2023年、東京大学の学園祭である五月祭で『AI法廷の模擬裁判』というイベントが開催され、ChatGPTによるAI裁判官の導入を実演する模擬法廷として話題になった。そのイベントの一環で、AIをテーマにした小説を書くSF作家(安野貴博氏、竹田人造氏)による対談が開催され、今月の本である『SFマガジン2023年8月号』に掲載されている。
作家らが現役のエンジニアでもあるという点が、対談内容に色濃く反映されている。その中でも興味深かったのは「専門家」とAIの関係についてのやりとりだ。政治家、裁判官のような「専門家」はAIで代替されうるかという新しい(しかしSFでは昔から描かれてきた古い)問題についての両名の考察からは、「専門性とは何か」という問いが浮かび上がってくる。判断のぶれのなさや参照・計算できるデータの多さという意味ではAI側に軍配が上がるわけだが、果たして専門家とはそれだけでいいのだろうか。これはSF作家たち本人にも同じ問いが突き付けられる。ChatGPTに「小説を書いて」とお願いすれば奇妙な味わいの物語(?)を紡いでくれるわけだが、「だとすればSF作家のようなクリエイターはどういう存在なのだろうか」と作家たちは問うている。実際の彼らの語りぶりは本誌でお楽しみいただきたいが、彼らの答えを要約すれば「専門性を一面的なスキルに限定すればAIの方が圧倒的に上である。しかしながら、専門家にはスキル以上のものがあるのではないか」ということだと理解した。
このことを人間一般に敷衍してみると、今、日本ではリスキリングブームが到来しているが、人間を単なるスキルの寄せ集めとしてとらえる限り、人間の「実像」からは乖離していく、ということだろうと思う。では人間とはどういう存在なのだろうか。この古くて新しい問いに答えるためには「SFを読めばいいんじゃない?」と『SFマガジン』が囁いている。それではこのあたりで筆を置き、同誌に掲載されている、魅力的なSFの世界へ旅立たせていただこうと思う。

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