株式会社三菱総合研究所

総会・セミナーDecember 01, 2025第10回 ICFオンライン座談会 「女性活躍推進の次の課題と解決策を考える」 開催レポート

第10回オンライン座談会では、株式会社NTTデータの末吉様と白石様をお招きし、「女性活躍推進の次の課題と解決策を考える」をテーマにお話しいただきました。

プログラム

12:00~12:05オープニング
12:05~12:15女性活躍を取り巻く社会トレンド
株式会社三菱総合研究所 ICF推進オフィス 濱田 美来
12:15~12:20女性活躍施策の事例紹介
株式会社NTTデータ
技術革新統括本部Innovation技術部 イノベーションセンタ 末吉 亜樹子氏
ソーシャルデザイン推進部 白石 有里恵氏
12:20~12:40リアルワーママコミュニティの取り組み事例紹介
株式会社NTTデータ
技術革新統括本部Innovation技術部 イノベーションセンタ 末吉 亜樹子氏
ソーシャルデザイン推進部 白石 有里恵氏
12:40~13:00質疑応答ディスカッション

座談会内容

◆株式会社NTTデータの取り組み
NTTデータでは、サステナビリティ経営推進本部を中心に、テレワークや裁量労働制の導入、育児休業の復職支援などの施策を進めてきました。そのような会社全体での取り組みが進む中、女性社員が自主的に運営するコミュニティ「リアルワーママコミュニティ」が誕生しました。:

目的:心理的安全性を確保し、子育てやキャリアに関する悩みを共有・解決する場の提供。
参加条件:NTTデータの女性社員であれば誰でも参加可能(独身・既婚・プレママ・ママ問わず)。
活動内容:・Teams上でのオンライン相談や情報交換
     ・半年に一度のランチ会(オンライン・対面)
     ・具体的なテーマ(産休・育休、子どもの教育・習い事、家事など)ごとに交流

このコミュニティは、「サードプレイス」としての役割を果たしており、心理的安全性が担保された同僚同士でのフラットな相談が可能な場を提供しています。結果として、社内ネットワークの拡大や、育児と仕事を両立する社員の生き生きとした働き方が実現されています。

◆ディスカッションのポイント
【論点1】ケア労働の負担の分散
女性が担う家庭内負担をパートナーや社会全体に分散し、また、会社としては社員が業務以外のケア労働も担っていることを理解し、心理的負担を軽減することの重要性が議論に上がりました。特に、「ケア労働=女性」という固定観念から脱却し、男女双方が家庭内ケアを分担する意識の醸成が求められます。

【論点2】制度と運用のギャップ
制度が整備されても運用方法に課題が残っているケースがあるため、企業内の地域格差や伝達不足を解消する必要があります。また、経営層を巻き込んだトップダウンの取り組みも、制度の活用を促進する上での重要なポイントです。

【論点3】ロールモデルの重要性
多様な働き方やライフスタイルを参考にできるロールモデルの不足が指摘されました。NTTデータの「リアルワーママコミュニティ」では、経験談の共有から、自分に合った働き方を見つける工夫が行われています。こうした取り組みは、他企業への展開や社会全体で推進すべきと考えられます。

【論点4】心理的安全性とコミュニティ運営の仕組み
心理的安全性を保ったコミュニティ運営が、多くの参加者に支持されています。特に、「誰でも参加しやすく」「できる人ができる時にできることを」という柔軟な運営方針が成功の鍵となっています。仲間同士の支え合いによるプラスの循環が生まれている点が特徴です。

本イベントに関するお問い合わせ

三菱総合研究所 未来共創イニシアティブ推進オフィス 担当:濱田・石田
E-mail: icf-inq@ml.mri.co.jp

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