株式会社三菱総合研究所

総会・セミナーSeptember 10, 2021社会課題リスト解説セミナー#2 水・食料分野 報告

開催概要

2021年8月26日(金)15:30 -16:45(Zoom開催) 参加者 56名

(1)社会課題リスト2020年版の解説
   株式会社三菱総合研究所 未来共創本部 研究員 玉川絵里
(2)社会課題リスト2021年版で扱う予定の課題
   株式会社三菱総合研究所 未来共創本部 研究員 玉川絵里
(3)ネットワーキング

議事概要

1.社会課題リスト2020年版の解説

①「食品ロス・食料廃棄の弊害が深刻化」について
・世界中で大量の食料廃棄がある。先進国では小売り段階での過剰仕入れや、消費段階で食べきれない等の理由で、途上国では物流インフラが十分整備されていないという理由で廃棄が発生している。
・こうした問題を解決する方法として、先進国の家庭ではスマート家電の活用、途上国では安価なコールドチェーンの構築などが進められている。
<参加者からのコメント>
・野菜等の食品は均一化できないため、一定のロスが出るのは仕方ない。そのロスをいかに価値の高い資源にするかがポイントになる。

②「利用可能な水資源の不足」について
・世界の水需要増加に対しインフラ整備が遅れ、水資源が不足している。
・清浄な水が不足している国・地域では、水の絶対量を確保するとともに、水質を改善させることも求められ、電気を使わずに空気中の水分を集める方法等が開発されている。
・水インフラの効率的な運営も必要であり、インフラを構成する施設や管路の状況を適切に把握するためのICTやAIの活用などの技術開発が進展している。
<参加者からのコメント>
・コメに関わる事業をしているが、水田(水稲)では水資源を多く使っていそうで、この社会問題が気になる。
・水不足への対応としては、浄化した水を循環させることがポイントとなる。ビル内で水循環をして、植物工場で野菜を作るということも考えられる。
・現在、農業での水の使用量が多いが、効率的に使われていない。精密農業が求められる。

水資源を回収する技術
【事例】「Warka Tower」(米国・Warka Water社)
:電気を使わずに空気中の水分を集める(大型給水塔)

https://www.warkawater.org/ (2021/07/26)

③「『食』から得られる幸福感の変容」について
・人間の幸福度には食事の美味しさや楽しさが重要な役割を果たすが、コロナ禍では食事は「料理に集中、おしゃべりは控えめ」とすることが求められ、食事をしながらのコミュニケーションに制約がかけられているという課題がある。
・また、ハラル市場が拡大し、思想・宗教などに配慮した食の質向上、そのための新たな食材・調理法の開発が課題となっている。
<参加者からのコメント>
・食事を共にできることが信頼関係を表す側面もある。コロナ禍で、人とのつながりが変化し幸福度も変化しそう。
・ホットプレートなどを使ったテーブル調理もコロナ禍で伸びている。
・外に出かけづらいからこそ子供と一緒に調理する機会は確かに増えた気がする。

2.社会課題リスト2021年版で扱う予定の課題
2021年版リストで扱う予定の新規課題として、「食と健康」「食のダイバーシティ」「食とコミュニケーション」を扱う予定であることが紹介された。

今後の予定

社会課題リスト解説セミナー
 9/16(木)  エネルギー・環境
 10/28 (木)  モビリティ
 11/25 (木)  教育・人財育成

社会課題リスト解説動画
社会課題リストに掲載された各社会問題について、解説する動画を近々公開する予定です。

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