活動報告
ICF Meetup 2023
社会課題解決に向けた取り組みの情報共有や意見交換をおこなうネットワーキングイベント「ICF Meetup 2023」を7月6日にハイブリッドで開催しました。当日は会場とオンライン合わせて120名の方にご参加いただき、盛会となりました。今回は社会課題リストの重要6分野の1つ「ウェルネス」を取り上げ、社会課題解決に向けた先進的な活動を実践、支援されている会員の方にご登壇いただきました。
はじめに基調講演「これからのウェルビーイング社会」(琉球大学教授 荒川雅志様)、話題提供「MRI が考えるウェルネス戦略におけるスタートアップの役割と期待」 (当社参与・ヘルスケアVM特命リーダー榎本亮)からスタート。その後、コロナ禍以降にICFにご参加いただいたベンチャー会員を中心に、ウェルネス関連事業を展開している会員、自社事業の取組をウェルネス視点で捉え直し、新たな価値提供の創出の検討をしている会員など、計9社の代表の方にご登壇いただきました。
ピッチ終了後には、登壇企業を中心に8社のブースを設置し、会場参加者による交流会を行いました。各企業のブースでは各社が準備したデモ機等を使ったサービス体験を通じ、活発な意見交換・ネットワーキングが行われました。
開催報告はこちら⇒https://icf.mri.co.jp/activities/activities-14406/
共創会員サロン第1回
共創会員同士の対話・交流を通じて、新たな気づきや事業開発のヒントを持ち帰っていただくことを狙いとして、今年度「共創会員サロン」を新設しました(隔月・計5回程度の開催を予定)。同サロンでは、国内外における今後の経済社会、技術の潮流や動向に関するテーマを中心に取り上げる予定です。
第1回は「ChatGPTがもたらすビジネス変革について語りませんか」と題して、6月23日に開催しました。当日は共創会員6社9名の方にご参加をいただきました。
冒頭、三菱総合研究所・DX技術本部よりChatGPTの強み・弱み・本質・課題等について、当社での活用事例も交えてご紹介しました。その後、参加各社のChatGPTへの対応・活用について共有いただき、活発な意見交換が行われました。生成AIの導入にあたっては、各社で検討・対応状況は分かれるものの、決して後ろ向きではなく、まずは特定部署における試験的な導入からスタートし、評価・検証をおこなった後に全社へ展開する流れで進めていく企業が多い印象を持ちました。
終了後の懇親会も、ChatGPTの話題を中心に大いに盛り上がり、参加者からは、「まさに今話題の中心となるテーマを選定いただいて大変参考になった」「 ChatGPTの導入や活用方法については、各社ともまだ手探りの状況であり、半年後に同じテーマで開催してはどうか」など、ご意見をいただきました。
第2回は、激甚化した自然災害が近年増加する中、今年9月で関東大震災100年を迎えることから、共創会員サロンは「防災」をテーマに取り上げる予定です。詳細は改めてご案内いたします。
BAP2023募集開始(募集期間:7/4~8/22)
9回目の開催となるBAP「ICF Business Acceleration Program 2023」の募集を開始しました。社会課題解決ビジネスをお持ちのスタートアップの皆様 は、ぜひご応募をご検討ください。今回も、MRI研究員がスタートアップとの共創プロジェクト創出に向けて、本気で伴走します。共に社会実装を目指す素晴らしいパートナーに出会えることを楽しみにしております。
また、スタートアップとの共創に関心の高い大企業・自治体の皆様とは、BAPを通じた共創創出も検討しております。ご関心をお持ちの方は、まずはICF事務局までお問合せください。
カーボンニュートラルな未来を考えるSF思考ワークショップ
「カーボンニュートラルな未来を考えるSF思考ワークショップ」を7/4にオンラインで開催し、約20名の方にご参加いただきました。当日は4つのチームに分かれて、カーボンニュートラルに関わる未来の新しい言葉を考えるところからスタート。SF小説で未来の人々の生活を想像しながら、サービス内容の詳細を検討し、新たに起きそうな課題をアイディエーションしました。参加者からは「現状起点では得られないカーボンニュートラルへの取り組みアイデアが得られた」「SF思考で考えるのは楽しく、学びが多かった」といった感想をいただきました。今後も本ワークショップで得られた事業アイデアの深掘り検討などを通じ、カーボンニュートラルテーマの検討を進めてまいります。
行政&地域デジタル化推進に向けた地域共創DX研究会 第1回
人口減少・高齢化、地域の多様かつ複雑な社会課題への対応が求められる中、地域社会では公助から共助・自助へのシフトが課題となっています。この潮流をデジタル活用で加速させるため、「地域共創DX研究会」を立ち上げ、第1回研究会を7月14日に開催いたしました。
本研究会では、地域共創DXの一つの取組みとして「住民ポータルによる行政・地域デジタル化の推進」を官・民の皆さまで検討していきます。「地域共創ポータル」により、行政や地域に関わる団体・企業による住民タッチポイントを増やし、コミュニケーションの強化や業務の生産性向上を目指します。
Insight Report 公開
2022年9月から2023年2月まで開催した食生活イノベーションFCPの検討成果をまとめたInsight Report(FCPで得られた知見をICF事務局がレポートとしてまとめたもの)を公開いたしました。
https://icf.mri.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/Food_Insight-Report_202303.pdf
コロナ禍で、食を通じたコミュニケーションに制限がかかるなか、食プロセス(食料生産、調達、調理、飲食)を通じたコミュニケーションが着目されています。本FCPでは、キッチンをコミュニケーション促進のための要と捉え、「食生活イノベーションの目指す姿と必要な取組」を検討しました。また、政策ロードマップ案を作成し、農林水産省に提出しました。
本レポートでは活動の概要と検討成果の一部をご紹介しています。ぜひご覧ください。
プラチナキャリア・アワードシンポジウム
ICFでは「人生100年時代、年齢を問わず自己の成長や所属する企業の発展、ひいては社会課題解決を目指し、学び・経験を通じて自律的にスキルを磨き、得られたスキルを存分にいかして活躍していくキャリア」を「プラチナキャリア」と定義しました。今回で5回目となったプラチナキャリア・アワードは、こうしたキャリア構築を支援する企業を選定・表彰するものです。(企画:ICF、三菱UFJ信託銀行 協力:東洋経済新報社、参考情報協力:株式会社リブセンス)
今回は「社員一人ひとりのライフスタイル、キャリア形成を考慮したリスキリング環境を会社として整備しているか」を重点評価項目に設定。6月20日(火)に開催したシンポジウムにおいて、最優秀賞1社、優秀賞6社を表彰しました。
当日は主催者挨拶、ご後援をいただいている厚生労働省キャリア形成支援室長佐藤悦子氏、株式会社東京証券取引所常務執行役員川井洋毅氏のご挨拶からスタート。本アワード審査委員長である三菱総合研究所・理事長の小宮山宏から基調講演を行い、「継続的で相互的な学びを実践してこそプラチナキャリア形成につながる」と締めくくりました。記念講演では、東京藝術大学の清水泰博氏に「アートシンキング」をテーマにお話をいただきました。今までの当たり前を問い直し、自分起点で問いを立てて、直感的、独創的なアイデアを生み出す方法として昨今「アートシンキング」へ注目が集まっています。企業側、働く側の双方にとって大変示唆に富んだお話をうかがうことができました。続くパネルディスカッションでは、プラチナキャリア形成支援や、人材育成の多様な取り組みとその成果を「企業価値向上へつなげる」ために企業は何をすべきか、プラチナキャリア推進企業は社会からどう見えるか、などをテーマに多くのご提案・ご意見が交わされました。
今後も会員の皆さまと連携しながら、プラチナキャリアに関する取り組みを通じて、ポストコロナ時代にふさわしい新しい働き方の実践を推進してまいります。
第5回プラチナキャリア・アワード表彰企業
≪最優秀賞≫ NECネッツエスアイ株式会社
<優秀賞> 株式会社NTTドコモ、株式会社オカムラ、ソフトバンク株式会社、SOMPOホールディングス株式会社、日清食品ホールディングス株式会社、株式会社丸井グループ(企業名五十音順)
インパクト起業家ストーリー#32公開
社会課題にビジネスで立ち向かうには、起業家の人間力や組織としての力が求められます。起業家たちは何を想い、目指す世界をどのように実現しようとしているのか。社会課題解決に向けて奮闘する「ひと」に光を当てて、その内在的な理解や直面している課題の認知向上、ひいては社会としてのブレークスルーを加速することを狙いとして取材記事をお届けしています。⇒記事一覧(32社公開中)はこちら
新たに教育ファイナンススタートアップの株式会社Educareの記事を公開しました。ぜひご覧ください。
今後の予定(7月~8月)
第3回社会課題ディスカッション(7/25)
ICF会員の皆さまに社会課題研究の進捗を報告するとともに、社会課題について議論する会「社会課題ディスカッション」(全3回)を開催しております。
第3回となる今回は、「防災インフラ」「教育人材育成」の2分野を対象に、ICF事務局より社会課題の概要や解決状況のご紹介を行います。あわせて参加者によるグループディスカッションも開催します。
また、三菱総合研究所の研究員から防災×DX、ワークシフト研究所の森家様からリカレント教育をテーマに話題提供を予定しております。ぜひご参加ください。
※第1回、第2回に参加されていない方もご参加いただけます。
【開催日時】
2023年7月25日(火) 13:00~15:00
申込締切: 2023年7月21日(金)17時
イベント詳細:https://icf.mri.co.jp/activities/activities-14436/
参加お申込みは下記よりお願いします。
▼会場
https://mri.smartseminar.jp/public/seminar/view/5855
▼オンライン
https://mri.smartseminar.jp/public/seminar/view/5856
会員ニュース
一般会員(ベンチャー企業)の6月のプレスリリースをとりまとめました。以下URLからご覧ください。
https://icf.mri.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/icf_mn_202306.pdf
社会実装に関わる取り組みを中心に、ICF事務局で特に注目した記事は以下の通りです。
◆デジタル変革に伴走するアイデミー、東京証券取引所グロース市場への上場に関するお知らせ|株式会社アイデミーのプレスリリース (prtimes.jp)
◆cotreeが、「医療連携カウンセリング」および「対面カウンセリング」の提供を開始|株式会社cotreeのプレスリリース (prtimes.jp)
◆ビジネス課題の言語化と相談をAIがサポートする新機能をリリース|テイラーワークスのプレスリリース (prtimes.jp)
◆210以上の自治体が導入のVACAN。災害時の閲覧数は累計600万回を突破し、避難時のサポートインフラに成長|株式会社バカンのプレスリリース (prtimes.jp)
◆北海道初!札幌市北区とPIAZZAが連携開始、地域コミュニティアプリを活用し、市民同士のつながりづくりの推進と健康促進に取り組む|PIAZZAのプレスリリース (prtimes.jp)
TOPICS
今月の本:失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
(マシュー・サイド(著),有枝春(訳)、2016年12月23日発行、発行元:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
AIがトップ囲碁棋士に初勝利してから約7年、2022年11月に現れたChatGPTは人のように言語を操り、AIの進化の速さに多くの人が驚かされている。背景にあるのは、AI自らが学習結果を実際に試行し、その結果を元にさらに学習する仕組みだ。それは極論すると「失敗」から超高速に学び続けているとも言える。
人は誰でも失敗する。本書は数々の事例を通して「同じ失敗を繰り返さないために、私たちはいかに失敗をとらえ、向き合うべきか?」を我々に問いかけるベストセラーである。第二章、『人はウソを隠すのではなく信じ込む』では、我々人間の失敗はいかにして生まれるのかが語られる。人は誰しも、自分は他人より優秀で、バイアスが少なく、他人の意見をきちんと聞くことのできる人間だと錯覚する。自身の失敗は認めたくないし、失敗をしても「避けられないことだった」と自分の心をなだめたくなる。だが、本書で一貫して語られるのは、素直に失敗を認めて、そこから逃げないこと、そして失敗を恐れず挑戦することの重要性だ。
本書では、業界全体で失敗から学びを得ようとする航空業界の努力も描かれる。人はAIほど速く失敗して学ぶことは出来ないが、他人の失敗から学ぶことができる。ICFは、会員の取り組みを通じて成功と失敗を学び、自らも新しい価値創造に挑戦することができる場でもある。これからも会員の皆さまとともに挑戦し、失敗から学びながら、粘り強く社会課題解決に向き合いたい。
ICF SNSのご紹介
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