第3回オンライン座談会は「核融合」をテーマに、核融合に関する最新情報とビジネスチャンスを共有するためのオンラインイベントを開催いたしました。
当日の説明内容(一部抜粋)
当日は100名を超える方にご参加いただき、事後のアンケートでは80%の方がとても満足・やや満足とのご回答でした。
〈当日プログラム〉
12:00 ~ 12:05 | オープニング・趣旨説明 株式会社三菱総合研究所 戦略企画部 シニアプロデューサー 中村 京春 |
12:05 ~ 12:20 | 核融合の基本情報解説 株式会社三菱総合研究所 社会インフラ事業本部 原子力イノベーショングループ 研究員 廣瀬 陽 |
12:20 ~ 12:40 | 京都フュージョニアリングの取り組み紹介 京都フュージョニアリング株式会社 Plant Technology Department Senior Engineer 井野 孝 氏 (経歴:2021年8月、京都フュージョニアリング(KF)に参画。 参画前は原子力発電所の安全評価、事故時の被ばく評価を担当。 KF入社後、フュージョンシステムの安全評価、熱エネルギー利用検討、規制・許認可、 ステークホルダーコミュニケーションを担当。) |
12:40 ~ 13:00 | フリーディスカッション、Q&A |
<結果概要>
【オープニング】
核融合は近年改めて注目される新エネルギー候補であること、また核融合反応を実現するための3つの要素(閉じ込め、密度、温度)に着目し、長い技術開発の歴史を経て、徐々に実用化に向けた産業化・市場化の議論が盛んになっている分野であることを解説いたしました。
【核融合の基本情報解説】
前半は核融合の原理、核融合を実現するための閉じ込め方式や実験装置、国内外で計画されている実証炉・原型炉のプロジェクト、そして産業団体の動向について解説いたしました。後半は国内外の核融合スタートアップに焦点を当て、政府による支援策、スタートアップの資金調達の状況、主だったスタートアップの概要紹介をいたしました。
【京都フュージョニアリングの取り組み紹介】
昨今加速している核融合スタートアップの技術開発動向を捉え、核融合開発を進めるプレイヤーのパートナーとして確立された京都フュージョニアリングのビジネスモデルや、同社がソリューションとして提供する発電プラントに必要な統合技術(Plasma Heating(Gyrotron) System, Fusion Thermal Cycle System, Fusion Fuel Cycle System)についての概説もいただきました。最後に、同社がリードする国内の発電実証プロジェクト「FAST」の概要や主要マイルストーンのご紹介をいただきました。
【フリーディスカッション】
今後数年のうちに核融合スタートアップに起こり得るダイナミクスや、核融合サプライチェーン拡大・民間資本投入の必要性が話題にあがりました。主な論点は以下になります。
- 核融合スタートアップの企業数は2021年以降増加しており産業自体への投資は今後も拡大していく一方で、今後数年で一定程度プレイヤーの淘汰は進むのではないか
- 核融合の実現に向けては多岐にわたる要素技術開発が必要であり、既に世界中でサプライチェーン構築における競争は始まっているのではないか
- そのような環境において、早く核融合システムの実現性を証明する、もしくはキーサプライチェーンを構築していく会社が生き残るのではないか
- 核融合実現までの長期大型プロジェクトを支える多額の資金調達が必要である一方で、そのスキーム・方法については難しさが残るのではないか
ICFでは今後、日本の核融合サプライチェーンの裾野を広げ、新エネルギー供給市場の拡充に資する共創活動を推進していく予定です。
本イベントに関するお問合わせ
三菱総合研究所 未来共創イニシアティブ 担当:水田・中村・石田
E-mail: icf-inq@ml.mri.co.jp