2025年5月29日、「スポーツがつなぐ地域と未来」をテーマとしたオンライン座談会を開催しました。
※本座談会のアーカイブ動画はICF会員限定で配信をしております。こちらをご覧ください。
プログラム
14:30~14:35 | オープニング |
14:35~14:50 | 事例紹介 株式会社スポーツネーション 代表取締役 三木 智弘 氏 |
14:50~15:05 | 事例紹介:アクティブシティ推進事業 公益財団法人笹川スポーツ財団 シニア政策ディレクター 澁谷 茂樹 氏 |
15:05~15:30 | 質疑応答・3社座談会 |
座談会内容
第7回ICFオンライン座談会では、株式会社スポーツネーション 三木様、公益財団法人笹川スポーツ財団 澁谷様をお招きし、スポーツを通じた街づくり・人づくりについてご披露いただきました。
1.株式会社スポーツネーション 取組紹介
株式会社スポーツネーションは、「NEO福岡」を通じて地域活性化と次世代リーダーの育成を積極的に推進しています。このプロジェクトでは、30歳以下の若者と地域を代表する企業をつなぐプラットフォームを提供し、地域に新たな価値を創出することを目指しています。具体的には、企業から若手人材を募り、多様なバックグラウンドを持つ若者とリーダーシップを育成するためのコミュニティを形成しています。これにより、企業のノウハウやリソースを活用した新しい事業の創造を促進しています。
また、株式会社スポーツネーションはスポーツチームと連携し、スタジアムやスポーツイベントを活用して若者と企業の交流を促進します。特に、スポーツイベントは特別な場として地域のサポーターと企業を結びつけ、共同体意識を高める重要な役割を果たしています。さらに、人材育成プログラムでは、スポーツを題材にした企画力や実行力、発信力を養うカリキュラムを設け、若者が実践的なスキルを身につける機会を提供しています。このような取り組みを通じて、持続可能な地域モデルの構築を図り、地域全体の発展に貢献しようとしています。
2.公益財団法人笹川スポーツ財団 取組紹介
公益財団法人笹川スポーツ財団は、地域の課題解決とウェルビーイング向上を目指し、「アクティブシティ推進事業」を展開しています。このプロジェクトは、運動・スポーツを活用して地域づくりを進めることを目的としており、自治体や地域社会と密接に連携しています。特に、この事業では官民連携のプラットフォームを構築し、さまざまな分野の行政部署や民間団体を巻き込み、新たな取り組みを創出しています。
香川県丸亀市や北海道名寄市などで実際に事業を展開し、地域ごとの特徴に応じたプロジェクトを開発中です。財団は調査と研究を基に、地域の実態に即した具体的な施策を立案・実装する、いわゆる「Do Tank」として機能しています。さらに、地域の持続可能な発展に向けて、関与する人材の育成にも力を入れており、自治体の職員が自身でプロジェクトを継続できる体制を整えています。これにより、スポーツをきっかけにした地域の活性化を持続可能にすることを目指しています。
3.ディスカッションでの気づき
- スポーツと地域活性化の融合
スポーツを単なるエンターテインメントとしてではなく、地域活性化の軸として捉える動きがあります。スポーツネーションや笹川スポーツ財団の取り組みは、スポーツを地域の課題解決や、経済・社会的価値の向上に活用しようとしている点が興味深かったです。
- 世代間の橋渡し
地域の持続可能な成長には、世代間の分断を埋めることが不可欠です。イベントでは、スポーツイベントやスタジアムがその橋渡し役を果たす可能性が指摘され、地域コミュニティの一体感を強化する方法としてスポーツの力が活用されています。
- 官民連携の重要性と課題
公益財団法人笹川スポーツ財団の取り組みでは、スポーツ推進を行うために行政と民間の協力が必要ですが、それぞれの目的やベクトルのすり合わせが課題として挙げられました。この連携の構築には、長期的なコミュニケーションと時間が必要です。
- 地域特性の活用
「NEO福岡」での事例から見えるように、地域特有の文化や企業間のネットワークを活用することが、プロジェクトの成功に繋がっています。地域の特性を理解し、それを活かす戦略が効果的であることを示しています。
本座談会をきっかけにICFでは今後も「スポーツ×地域」をテーマに、社会課題解決に向けた取り組みを推進してまいります。
本イベントに関するお問い合わせ
三菱総合研究所 未来共創イニシアティブ 担当:石田・奥野
E-mail: icf-inq@ml.mri.co.jp