株式会社三菱総合研究所

April 14, 2023MRI DEMO DAY 2023イベントレポート(ICF & BAP Activities)

ICF & BAP Activities

株式会社三菱総合研究所 未来共創本部 加藤美季

「100億人が100歳まで豊かに暮らせる持続可能な社会」を目指して、社会課題をイノベーションとビジネスの力で解決する。このビジョンにご賛同くださった皆様と共創する会員プラットフォームがICFであり、その中核プログラムの1つが、ビジネス・アクセラレーション・プログラム(BAP)です。

今回は、BAP2022における7社の共創成果を発表します。我々は、大きく2つの着眼点から共創を推進してきました。

1つ目は、既に問題が発生し、社会課題として顕在化しているものを対象に、「マイナスをゼロに」という方向で取り組んできたもの4事例(UNTRACKED株式会社、UPWARD株式会社、 株式会社ninpath、株式会社安斉管鉄)
もう1つは、目標となる未来像を掲げ、それに向けて、「ゼロをプラスに」という観点から共創を推進してきたもの3事例(株式会社StudyValley、株式会社New Ordinary、株式会社テイラーワークス)。 

 
(株)三菱総合研究所 加藤

この視点を踏まえ、アクセラレーションプログラムとして、3ヶ月間、次の5つのポイントを押さえながら、共創活動に取り組んできました。

  1. 社会課題を捉え、勝ち筋を探索
  2. 社会課題の共通認識を持つ仲間集め
  3. 自社で育てる・力を借りる経営資源を明確に
  4. 課題保有者だけでなく、費用負担者を探索
  5. 政策提言、社会変革まで意識

中でも1番目のポイントに、最も注力しています。
「社会課題解決をビジネスとして継続することは難しい」という問題があります。そのため、社会インパクトの大きい社会課題、より多くの人に影響がある社会課題を探索し、解決の方向性、ビジネスの勝ち筋を見つけることが重要です。

本日ご紹介する7社は、発展途上のビジネスも多いです。ぜひ、ご覧の皆さまと、さらなる共創を広げていきたいと願っております。

1.未病・予防・早期発見
健康スコア連携による健康経営ビジネスの展開

UNTRACKED株式会社 研究員 上條冬矢 氏
株式会社三菱総合研究所 ヘルスケアVCP 榎本亮

榎本:ご承知の通り、医療介護費の増加は不可避であり、予防・未病・早期発見の重要度は、ますます高まっていくと思われます。
このような中、スタートアップの皆さんが中長期的な視点で安定的にサービスを提供するためには、限られたリソースをうまく共有し、シナジーを最大化する必要があると考えます。
そこで、「立位年齢」を測定できるUNTRACKED社、「健康年齢」のヘルスビット社、「脳年齢」のMIG社、これらを連携させてサービスを提供する取り組みを始めております。

 
UNTRACKED(株) 上條氏

上條:UNTRACKEDが提供する『StA²BLE』は、身体機能と感覚機能を同時に評価できる世界初の転倒リスク検査デバイスです。検査後に、身体機能、感覚機能と、新しいリスク評価指標「立位年齢」を算出します。検査結果を元に個別トレーニングを提供することで、転倒ゼロ社会の実現を目指します。

StA²BLEの活動は、「労働安全衛生」と「フレイル予防」の2軸です。
労働安全衛生では、大手製造業企業数社への導入、神奈川労働局での講演を実施。また、厚生労働省から安全性実証に認定されております。フレイル予防では、神奈川県みらい未病コホート研究への参画、兵庫医科監修の丹波篠山地域でのコホート研究への参画、高齢者福祉施設を多数展開する三篠会への導入といった活動を行っています。

社会の健康課題解決に向けて、労働安全衛生面ではヘルスビットさん、フレイル面ではMIGさんと協力、連携していきます。

2.地域共創DXの推進
「レジリエンス対応/地域福祉の充実」への位置情報提供とクラウドCRMの活用

UPWARD株式会社 代表取締役社長CEO 金木竜介 氏
株式会社三菱総合研究所 公共DX本部 青木芳和

青木:UPWARD社との公共分野への取り組みにあたり、自然災害への対応を検討しました。まず1つのユースケースとして、災害ボランティア業務に焦点をあてました。
被災者のニーズを聞き取り、どのようなボランティアを必要としているかを確認。被災者のニーズと参加ボランティアの特性をマッチングする。そして最後に、ボランティアが活動状況を報告する。この一連の業務が、現在、紙中心の対応となっております。
ここをデジタル化することで、遠隔地からでもクラウド上で支援が可能となります。それが我々の狙いです。

 
UPWARD(株) 金木氏

金木:UPWARDは、フィールドセールスの領域で、モバイルCRMのサービスを提供している会社です。
近くの顧客を自動でレコメンドし、モバイルで簡単に活動報告。そして皆の活動データを即座に集計、見える化する。この機能が、災害ボランティアのDXと非常にマッチします。
災害現場に行けば、位置情報により自動で居住者情報と紐づけ、音声入力で簡単に情報を入力、リアルタイムでボランティア事務局に情報が集約されます。また、どの情報に誰がアクセスできるか、といった権限管理についても、簡単に設定可能です。

青木:災害時の業務だけではなく、平時では、努力義務化されている個別避難計画の策定にも、活用できるでしょう。その際は、行政の持つ高齢者や要介護者といった福祉情報との連携が必要です。このように、福祉の分野への拡大、また他分野にも対応範囲を広げていき、システム自身で収益化することで、持続可能な仕組みを作り出したいと考えています。

3.女性の健康・活躍
女性の健康活躍起点のWell-being Society実現に向けて

株式会社ninpath 代表取締役 神田大輔 氏
株式会社三菱総合研究所 未来共創本部 玉川絵里

玉川:従業員のメンタルヘルスは、今、日本の多くの企業にとって、大きな問題になっています。
実は、男性も女性も、あるライフイベントの時、非常にメンタルリスクが高まります。それが、妊活・不妊治療のタイミングです。

 
(株)ninpath 神田氏

神田:これは、女性だけでなく、男性にもケアが必要です。20代から40代の男女の約8割が、生殖に関するトラブルを抱えています。そして、不妊治療経験者の96%が、仕事との両立を困難に感じています。退職、あるいは治療の中止を選択する人が、約3分の1もいるのです。
『ninpath』アプリでは、不妊治療の管理・整理・可視化を行い、意思決定をサポートします。また、メンタルチェックや不妊治療専門家のオンライン相談が受けられる環境を提供することで、治療の継続や仕事との両立をサポートしています。さらに現在、MRIとの協働として、2つ話が進んでいます。1つ目が、COCOPROとの連携です。

玉川:COCOPROは、従業員の勤怠データやパソコンの利用ログから、その従業員が今後休職に至る可能性を早期に判断します。しかし、リスク発見後のケアについて、課題を抱えていました。

神田:そこで我々が、専門家によるケアを提供する形で、連携に向けて取り組んでいます。
そして、もう1つ。MRIの人事部と一緒に、従業員の不妊治療・メンタルリスクに関する潜在課題を可視化するために、動いています。

玉川:MRIは従業員が1000人を超えていますが、一体、何人が妊活・不妊治療の当事者なのかは、分かっていません。どれぐらい困っている人がいるのか、どういうニーズがあるのかをninpathさんに助けていただき、把握したいと思っております。

4.綺麗な水環境の創出
「きれいな水にインセンティブを」Clean Water Mechanism

株式会社安斉管鉄 代表取締役社長 安斎聡 氏
三菱総合研究所 経営イノベーション本部 松元英信

松元:安斉管鉄社は、超高密度ナノバブル発生装置を用いた事業を展開しています。従来の、消費電力が大きい、大型化が難しいといった問題を解決し、さまざまな分野に応用しています。
ここからは、現在、特許出願中の技術を応用した事業について、お伝えします。

 
(株)安斉管鉄 安斎氏

安斎:まず、ナノバブル水で直接コンピューターを冷却する方法を考えました。冷却効率が良くなり、消費電力の大幅な低減が実現します。

また、洋上風力発電は、漁業権、設備費用といった問題を抱えていますが、空気から酸素と窒素を分離し、それぞれの問題解決に使おうと考えています。酸素は海中の生物を増やすため、そして窒素は装置のサビを防いで寿命を伸ばすために使用します。

次は、バラスト水の問題です。貨物船が空荷で出港するとき、船を安定させるために積み込む海水(バラスト水)が生態系に与える影響は、大きな問題です。現在、殺菌・中和処理が行われていますが、とてもコストが高い。この問題にも、ナノバブルが解決策を提示します。

燃料にナノバブルを混入することで、燃費が良くなり、Nox(窒素酸化物)やSox(硫黄酸化物)の排出を抑えることが可能です。
ナノバブルを使うことで刃物の持ちがよくなり、トンネル切削やボウリングなどのインフラ整備費用を節減できます。
酸素ナノバブルは排水処理を助け、インフラの寿命を伸ばします。
ナノバブルにより、農作物の収穫量を向上させることができます。

他にも語りつくせないほど、ナノバブルはたくさんの可能性を持っています。
さまざまな企業と協業し、あらゆる課題解決に向けた取り組みをしていきたいと思っています。

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本件に関するお問い合わせ

(株)三菱総合研究所 未来共創イニシアティブ MRI DEMO DAY 2023事務局 担当:八巻・加藤
E-mail:mri_demoday2023@ml.mri.co.jp

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