ICFが提供する社会課題リストは、イノベーションにより解決できると考えられる社会問題を領域ごとに掲げ、7領域にわたる合計30の社会問題について、【社会問題>社会課題>解決の糸口】という3ステップの構造で提示しています。

いま世界で何が起きているのか、何が大事なのか、そして何が本質(根源)なのか、警鐘を鳴らしつつ、解決のヒントも示し、具体的解決に向けたきっかけづくりを目指しています。問題の実態・原因の分析、重要度・優先順位の見極め、解決に向けた課題設定、具体的な解決策に結びつくヒントまでがワンセットになっています。
『社会課題リスト2025』の改定のポイントは以下の通りです。
- 従来の6領域1 を「ウェルネス」、「食農」、「エネルギー・環境」、「レジリエンス」、「モビリティ」、「教育・人材育成」に再編
- 気候変動対策、少子高齢化や都市部へのさらなる人口集中、アンコンシャスバイアスによる生きづらさの悪化など、岐路に立つ諸問題への対応を踏まえてアップデートを図るとともに、第七の領域「DE & I」(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン;多様性・公平性・包括性を実現する社会)を新設
- 重要な社会課題として着眼している「消費者保護」「サイバーリスク」「ELSI」「カーボンクレジット」「レジリエンス」のスペシャルコラムを掲載

社会課題リストの構成は次の通りです。領域ごとに特定された問題に対し、これを解決(GOALを実現)するために取り組むべきこと、目指す方向性を記述しました【課題設定】。この課題をクリアするために、具体的な解決策の着眼・設計・実現・実装を目指しますが、そのためのヒント(技術動向、政策の動向)や様々な事例も掲載しています【解決への糸口】。
この社会課題リストは下記のように使っていただくことを想定しています。
- 社会課題解決やSDGsへの取組みに貢献する新事業創出のヒントに
- 新分野開拓と社会課題解決に寄与する自社技術応用のヒントに
- 他社の技術・知見を活用するオープンイノベーションのきっかけに
たとえば、社会課題やSDGsの視点を企業経営に導入し新たな事業を創出したいと考える企業の皆さまには、本リストから「この分野には自社の技術で解決できる課題がありそうだ」「自社に不足している技術が、参考事例に掲載されている企業にはありそうだ」などの気づきを得ていただければと考えています。
本リストが、社会課題と技術知識の参考書にとどまらず、皆さまの事業や社会の課題解決の糸口を見つける材料集として、繰り返しご参照いただけることを期待します。
1 「ウェルネス」「水・食料」「エネルギー・環境」「モビリティ」「防災・インフラ」「教育・人材育成」