ICF会員が一同に会して、社会課題解決への取り組み等の情報共有や意見交換をおこなう交流・マッチングイベント「ICF Meetup 2024」をハイブリッドで開催しました。(開催日:2024年7月19日)
当日は、会場とオンライン合わせて90名の方にご参加をいただき盛会となりました。
ICF活動状況報告
プログラムの冒頭では、ICF事務局長の水田より、4月のICF総会以降の活動実績と新たな活動スケジュール(MRI DEMO DAYは2025年1月に開催し、その後、BAP(Business Acceleration Program)募集開始予定等)について報告しました。具体的な報告内容については、第1四半期活動報告をご覧ください。
「Japan-ASEAN Start-up Business Matching Fair 2024」イベント報告
続いて、6月19日にタイで開催されました「Japan-ASEAN Start-up Business Matching Fair 2024」について報告しました。ICF事務局よりイベントの概要をご紹介した後、現地参加いただいたICFベンチャー会員の中から、UPWARD株式会社、Olive株式会社、エアロセンス株式会社の3社にご登壇いただき、各社の海外事業の展望やイベント参加の成果、ご感想等をお話いただきました。
ICF事務局 タン ウェンジェ
本イベントは、日・ASEANの事業共創機会創出を目的として、アユタヤ銀行が主催し、三菱総合研究所は共催パートナーとして参加しました。日本、ASEAN各国の60社以上のスタートアップ(うち6社はICF会員)と180社以上の投資家との間で約430件のマッチングが行われました。
ICFでは、引き続きICFベンチャー会員の海外進出サポートを一層推進して参ります。
イベント詳細は、ニュースリリースをご覧ください。
UPWARD株式会社 下野弘様
CRM・SFAの活用課題を解消し、価値を最大限に引き出します。イベントでは現地大手投資家との面談を実施。お客様候補、投資家との接点のみならず、プロダクトへの反応をいただく貴重な機会となりました。今後はPoCを進め、東南アジア事業の拡大を図ります。
Olive株式会社 竹内精治様
表情ではなく非接触で生体反応による感情推定を行うことで、感情を客観的なデータとしてDX化。イベント中に11社と面談、8社と会話継続中。今後は現在取組中の地域を中心に引き続き、拡張活動を継続。自社による海外展開と合わせて日本企業との連携による海外展開を進めます。
エアロセンス株式会社 嶋田悟様
国産のドローンメーカー。イベントではタイでの大型eVTOL・AEROBO wingによる長距離ドローン物流を提案。タイでの商談は今回が初めてであったが、タイ財閥と継続して商談を進めています。
会員ピッチ
スタートアップの育成・支援や産官学との連携を通じた社会課題解決の取り組みに力を入れている北陸地域の自治体・大学をはじめ、新規に入会されたICF会員12社・団体の代表者の方にご登壇、ピッチをいただきました。
アールシーソリューション株式会社 大本凜様
アプリによる地震・Lアラート等の災害情報を提供。3社協業により、防災・減災を伝える漫画も作成。「面白く」防災を伝えることで身近に置いてもらえ、その結果、安全・安心につながると感じています。
株式会社Z-Works 小川誠様
介護支援システム「ライブコネクト」を開発・提供。複数のセンサーにより介護現場全体を可視化し、介護作業の軽減と効率化を図ります。今後は在宅医療との連携、海外展開を見据えています。
株式会社ドクターナウ LEE JUE様
韓国でのオンライン診療市場においてシェア1位のオンライン診療と無料薬配達アプリを提供。患者が病状やレビューを参考に医療機関を選択し、オンラインで受診。全国どこでも処方薬を30分以内で配送するインフラも構築しています。今年度より日本での活動を開始しました。
株式会社Booon 橋爪海様
養殖業が直面する課題である飼料原料の高騰へのソリューションとして、食品廃棄物を利活用した機能性昆虫を生育。水産養殖飼料原料を効率的かつ大量に生産するシステムを確立しました。場所の制約を受けない新資源の創出による地産地消モデルを早期実現しています。
株式会社コシダアート 正木秀樹様
労災事故を防ぐノウハウを特許取得した「労安アプリ」を現場に提供。労働安全衛生における注意事項などのチェックリストを現場の作業者に配信。収集されたデータを可視化し分析・活用して、労災ゼロとウェルビーイングの向上を目指し、共創パートナーと安全DXを推進しています。
東武鉄道株式会社 大矢幸代様
TOBU OPEN INNOVATION事業を推進。観光をテーマに、3つの課題(新たな観光サービスの創出、DXによる観光事業の収益性と利便性の向上、急増するインバウンドへの対応)に関して、スタートアップを含めた外部の方との事業共創を目指しています。また社会課題であるモビリティ分野の解決についてICF会員との協業を期待しています。
国立大学法人北海道大学 土井將義様
目指す未来社会として「HU VISION 2030」を制定。博士課程の学生による地域連携・貢献プログラムの実施や道内企業との社会共創プロジェクトを始動しています。博士人材の活躍、キャリアパスの充実をICFとの共創にて進めていきたい。
富山県 川野篤様
スタートアップエコシステム形成プロジェクトとして、集中支援プログラム「T-Startup Leaders Program」を実施し、突き抜けた起業家等を支援するほか、創業支援センター及び創業・移住促進住宅「SCOP TOYAMA」を整備し、創業支援の拠点づくりに取り組んでいます。
石川県 出雲守様
能登半島地震からの創造的復興に向けた「創造的復興リーディングプロジェクト」を象徴的プロジェクトと位置づけ、13のリーディングプロジェクトを具体的な施策として設けました(石川県創造的復興プラン概要参照)。この分野を中心にICF会員との共創、協業を進めていきたい。
福井県 枡谷浩和様
「ふくいNEW経済ビジョン」では、スタートアップ・ベンチャー支援を柱とし、学生・若手起業家向けの起業家教育から企業の成長支援まで、様々なプログラムを実施しています。「ふくいベンチャー創出プロジェクト」の開始後、新規上場企業が急加速し、福井県の人口あたりの上場企業数は全国5位となっています。
金沢大学 永平廣則様
北陸地域の大学・高専発のスタートアップ創出プラットフォームと大学発ベンチャーキャピタルが機能的に協働し、スタートアップを支援。2025年には社会実装の拠点施設として「未来知実証センター」をキャンパス内に整備予定です。
金沢工業大学 松井康浩様
社会実装を目指した教育研究の取組みとして、多様な課題に取り組むことができる産学連携型人材育成を進めています。社会課題を共に解決するための学生派遣プログラムにてICF会員と連携していきたい。
交流会
ピッチ終了後には、登壇企業を中心に10社・団体のブースを設置いただき、会場参加者による交流会を行いました。360°映像配信にご協力いただいたリアルバーチャル株式会社にもブースを設置いただき、参加者にメタバースを体験いただきました。展示や体験を通じて、参加者同士の活発な意見交換、ネットワーキングが行われ、盛会のうちに終了しました。
交流会の様子
終了後のアンケートでは、「タイでのイベントにおけるスタートアップ企業の具体例が興味深かった」「官民双方の分野における事業および新規事業について、深い理解を得ることができた」など、ICF活動へのご賛同・ご意見、ポジティブなコメントを多くいただきました。
事務局では、ICF会員の皆様の交流活発化と社会的インパクトの創出を目指し、リアルでのイベントを随時実施しております。
今後も事務局の取り組みにご賛同、ご協力賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
ICF会員限定で当日のアーカイブ動画をご案内しております。こちらからご覧ください。
本イベントに関するお問合わせ
三菱総合研究所 未来共創イニシアティブ 担当:水嶋・奥野
E-mail: icf-inq@ml.mri.co.jp